統合失調症

統合失調症について

統合失調症のイメージ写真

統合失調症は簡単にいうとバリア(自我と言います)の異常です。
私たちは知らないうちにバリアに守られて生活しています。
ですから少々人から何か言われても、見られても気にすることなく生活することができます。
しかし、バリアに異常があると刺激が直接突き刺さり大変苦痛に感じるのです。
多くは多感な思春期~青年期に発症し、幻聴や妄想といった症状としてあらわれます。
統合失調症は脳の神経ネットワークにトラブルが生じる脳の機能障害で、およそ100人に1人弱の割合で発病します。
生まれながらにストレスに対するもろさがあり、そこに限度以上のストレスがかかると、脳内の神経系に異常をきたして発症すると言われています。

早期の治療が重要

経過は人によって様々で、薬がよく効いて、症状のコントロールがうまくいく方と、治療が難渋する方がいます。
原因ははっきりとは解明されていません。どの方がどのような経過をたどるかの予測も難しいところです。
しかし「発症早期の治療」が重要であることは認められており、早期のうちに、専門医による適切な治療を受けることが大切です。

統合失調症の症状

病期に応じて下記のような症状が見られます。

初期

  • 幻聴
  • 不眠
  • 被害妄想
  • 思考の混乱
  • 感情の不安定さ など

回復期

  • 意欲の低下
  • 倦怠感
  • 過眠 など

慢性期

  • 活動性の低下
  • 周囲への無関心
  • 注意力の低下 など

統合失調症の治療

統合失調症の治療は、継続的な薬物療法によって、症状を安定させます。
現在は副作用の少ない薬剤や、1ヶ月から3ヶ月に一度注射をするだけの薬剤も開発されています。

統合失調症は症状が目立つため、急性期の薬物療法が注目されがちですが、実は目立つ症状(陽性症状)が治まった後の治療も非常に重要です。
この時期は意欲や活動性が低下(陰性症状)し、生活リズムが乱れ、引きこもりがちになります。
統合失調症の方の多くはこの陰性症状がメインとなります。
また、統合失調症は社会からの偏見(スティグマ)が強く、患者様自身も自分に対して偏見(セルフスティグマ)を持ってしまうことが多く、自信を失い、引きこもりに拍車をかけてしまいます。

家から出ること、社会とつながることがとても重要です。
精神科デイケアや就労移行支援事業所などの施設をうまく利用しながら社会復帰を目指すことが良いと思います。
仕事や家庭を持っている方も多くいます。